WSET Level3 Online受講・受験記

JSAワインエキスパートの筆者がWSET Level3に挑戦します

系統的テイスティング

WSETの試験ではJSA同様にテイスティング試験がある。両者は基本的なところは似ているが、アプローチが大分異なるように思った。

まず、

外観⇒香り⇒味わい⇒評価

という順で見ていくというところは同じであるし、選択する用語も多くは共通している。

しかしながら、JSAは選択式回答なので、用語を覚える必要がない。また、香りの特徴も「果実・花・植物」「香辛料・芳香・化学物質」の2カテゴリーから、複数を選択するので、正直、当て勘というか、何となく品種を頭で想定しながら、正解の蓋然性が高いものを選択していくようなアプローチだったと思う。

一方のWSETは、回答項目・用語全て頭に入れていかなければならない。また、選択式ではないので、文章のフルコメントとして書かないといけない。品種を当てる項目はない。そしてアプローチも系統的で、香りの要素だったら

第1アロマ(ぶどう由来・アルコール発酵)⇒第2アロマ(MLFや酵母や樽)⇒第3アロマ(酸化・瓶熟)のそれぞれについて、順に回答していく。第1アロマしか取れなければ、シンプルなワインだ、といった感じである。

そんなこんなで、例えばこんなコメントを回答することになる。

The wine is pale lemon. It has a medium(-) intensity and it is youthful. The simple aromas are of apple, grapefruit, pear, honeysuckle and blossom. It is dry with high acidity, low alcohol and light body. It has a medium flavor intensity and short finish.The simple flavors are of apple, pear and grapefruit. It is acceptable. Drink now: not suitable for further ageing.

文章はテンプレートであっても、フルコメント(しかも英語)でワインを評価できるようになるというのは、ちょっと格好良い。ワインアプリのvivinoでも、外人がこんな感じのレビューをよく投稿している。彼らもWSET仕込みなのかもしれない。このような国際的なワインの共通言語を体得できることのメリットは非常に大きい気がする。すごいぞWSET。