WSET Level3 Online受講・受験記

JSAワインエキスパートの筆者がWSET Level3に挑戦します

教材到着

昨日、宅配便で教材のパッケージが到着。

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主な同梱物は以下の通り。

・Specification

Level3で求められる能力や試験の注意事項等が記載されている。

・Study Guide

勉強の仕方とか例題とかが書いてある。

・Text Book

教本。フルカラーの図解入りで、ブドウ栽培から各国生産地域のこととか沢山書いてある。

・Tasting Sheet

テイスティングでの回答項目、用語などが載っている。

 

その他、動画のURLが記載された紙なども付いてきた。動画は一本5分ぐらいのショートビデオが20ぐらいあるようだ。3本ぐらい見てみたが、テキストを読めば分かる話が多い印象。

 

今後の具体的な進め方等は特に指示なし。英国のWSETに登録された段階で、アサインメントなどが多分出てくるのだろう。また、第1回はオンサイトの授業に出席し、テイスティングの作法を学ぶ必要があるそう。

 

この手の勉強はスキマ時間をいかに有効に使うかが鍵だと思うので、早速教科書はPDFにしてiPadに保存した。かさばらないし、直接書き込めて保存できるのでこの方が便利。

なぜOnline受験か

Diplomaを除く多くのWSET受講者は、スクールに通う選択をすると思う。ワイン仲間ができるなど副次的なメリットは大きいと思うが、それでも自分はオンライン受講をしたいと思う。

その理由は以下の通り。

  1. 自分のペースで勉強したい
  2. 料金が通学の半額
  3. 英語のリハビリ

1に関しては、小生はJSA試験も基本的に独学で、無料サイトや有料の問題集を沢山解きながら対策をしたが、これが自分には向いていた。1次試験直前講座と2次試験対策だけはスクールに行ったが、郊外に住んでいるためスクールに出ていくまでの交通が結構億劫で、さらに毎週休みの日に予定が入ると、「今日も行かなきゃ・・・」と精神的負担になっていたのも事実。肝心のテイスティングも、飲んで、コメントして、模範解答が配られて、どれだけ模範解答からズレてるのかを自己チェックするだけで、これって別に一人でもできるんじゃね?と感じた。

WSETオンラインは、好きな時間に独学し、好きな時間にログインして質問したり課題を提出する形式だと聞いて、これは合ってそうだなと感じた。また、もし将来Diplomaを受けようと思った時に、Diplomaはオンライン中心なので馴れるメリットもありそう。

もちろん、通学して仲間と切磋琢磨して交流を深めるということに憧れはあるものの、この前CAPLANアカデミーに初めて行ってみて、あまりの自宅からの交通の便の悪さに「これ毎週通うのはきつい・・・」と感じてしまったこともあり・・・。

 

2に関しては、税抜きで通学15万円、オンライン8万円の価格差は結構デカい。前者は毎週のテイスティング込みの値段であり、オンラインは自分でワインを用意しなければならず、自分で買うテイスティングワインは、産地・価格帯が指示されるとのこと。

そこが少し不安だったので、CAPLANの方に、オンラインでは毎週どのぐらいのワインを買うことになるのかを質問したところ、

「あまりよく知らないけど、スクールでは毎週6種類出してるので、そのぐらいかも」

と言われ、毎週6本ずつ買わなきゃいけないのかと絶望的な気持ちになった(もし毎週6本だと、6×4×6=144本以上ということになり、とても回らない)が、WSETの公式ページによれば、

you will need to taste a minimum of 12 wines (not provided, but you will be given guidance on the styles to taste)

とのことなので、半年で最低12本ということで、全然許容範囲。ただ、指定される平均価格帯が6,000円以上のものになると、通学より高くなるので、そこは見極めだと思う。

 

3に関して。WSET Onlineは英語のみの提供なので、そこを敬遠する日本人も多いと思う。筆者の場合は、米国大学院に留学して修士号を取ったこともあり、人並み以上には英語ができると思う(もちろん、ネイティブとペラペラ喋れるレベルからはほど遠い)。ただ、日本に帰ってきてから、仕事でも日常でも英語を使う機会がそこまでなく、かといって、今さらヒアリングマラソンやらラジオ英会話やら英検・TOEICの類をやる気にもなれず、だったら趣味の勉強を英語でやることで一挙両得を狙おうかと。

ちなみに、WSETに必要な英語力はTOEIC700程度で、スピーキングはなく、基本的にはリーディング・ライティングと少々のリスニングスキルが必要だと聞いている。この辺りのことも、実際に受講してみて感触を伝えることができればと思う。

 

以上、受講前の決意めいたエントリーポストは終了。次回更新は4月以降になる気がするが、その前に何かあれば随時エントリーしていきたい。

なぜWSETを受験するのか

まずワインに興味を持った日本人の多くは、小生がそうであったように、JSA日本ソムリエ協会)のソムリエ資格(筆者含め業界従事者以外はワインエキスパート呼称だが、長いのでこちらに表記統一)にチャレンジすることになると思う。

 

ソムリエ資格の勉強は、ある意味、身だしなみというか、ワインのプロを名乗るならこのぐらいは知っていてよねという知識(例えばメドック格付けやブルゴーニュグランクリュの位置、オーストラリアの主要産地・品種等)を、旧世界・新世界バランスよく学べる点で、なかなか意義があった。

 

一方で、画一的な知識の詰め込みと感じることも多かった。特に料理とのペアリングに関しては、聞いたこともないような料理(フランス料理だけでなく、ドイツやオーストリアの料理も含む)と一対一で合うワイン(多くの場合は産地が同じであるかどうか)を覚えなければいけないので、あんまり思考力とか応用力が身につかないな、とも感じていた。 

 

実際、仕事の接待でワインを決めるようなフォーマルなシチュエーションでも、JSAのペアリング暗記はそれほど役に立つ場面はなく、コンクールでも「おせち料理にあうワインをリストの中からレコメンドせよ」みたいなお題が与えられるので、知識プラス理屈でワインにアプローチしなければいけないという問題意識を感じていた。

また、日常の家庭料理やジャンクフードにワインを合わせて楽しみたいとも思うタイプ(例えば瓶内二次発酵スパークリングは、アミノ酸が豊富なので、ケンタッキーに合うと個人的に思う)なので、ワインの特徴から合う料理を導きだせるようになりたいと感じていた。

 

そうした中、WSETは、ワインの応用力や思考力(5W1HのWhy?How?の部分)を重視していると聞いて、試しにLevel2のテキストを取り寄せて読んでみたら、「うまみや酸味がこうだから、ワインと料理のペアリングはこう」みたいな理論的な考え方が書いてあって、これは面白いと感じた。

以上がWSETにチャレンジしようと思った理由。CAPLANの説明会に来ていた多くも、JSA呼称有資格者だったので、ちょうど次のステップとして丁度良いように思った。

ブログ開設にあたって: WSET Level3 Online(2019年4月期)を受講します

WSETというワインの国際資格がある。Level1からLevel4(Diploma)まであり、Diplomaを取得すると、世界最高峰のワイン資格であるMaster of Wine(MW)に挑戦する権利が与えられるという、大変夢のある資格である。

レベル感としては、Level3がJSAのソムリエ・ワインエキスパートと同等のレベルと言われている。

これまで、WSETについてブログを書いている日本人は何人かお見かけしたが、Diplomaを除けば皆さんCAPLANに通学して取った人たちで、Level3以下のオンラインコースが実際どうなのか、日本語の情報が不足しているような気がしている。

そこで、4月から小生がオンライン講座を受けてみて、その形式や感想等を公開することにした。