なぜWSETを受験するのか
まずワインに興味を持った日本人の多くは、小生がそうであったように、JSA(日本ソムリエ協会)のソムリエ資格(筆者含め業界従事者以外はワインエキスパート呼称だが、長いのでこちらに表記統一)にチャレンジすることになると思う。
ソムリエ資格の勉強は、ある意味、身だしなみというか、ワインのプロを名乗るならこのぐらいは知っていてよねという知識(例えばメドック格付けやブルゴーニュのグランクリュの位置、オーストラリアの主要産地・品種等)を、旧世界・新世界バランスよく学べる点で、なかなか意義があった。
一方で、画一的な知識の詰め込みと感じることも多かった。特に料理とのペアリングに関しては、聞いたこともないような料理(フランス料理だけでなく、ドイツやオーストリアの料理も含む)と一対一で合うワイン(多くの場合は産地が同じであるかどうか)を覚えなければいけないので、あんまり思考力とか応用力が身につかないな、とも感じていた。
実際、仕事の接待でワインを決めるようなフォーマルなシチュエーションでも、JSAのペアリング暗記はそれほど役に立つ場面はなく、コンクールでも「おせち料理にあうワインをリストの中からレコメンドせよ」みたいなお題が与えられるので、知識プラス理屈でワインにアプローチしなければいけないという問題意識を感じていた。
また、日常の家庭料理やジャンクフードにワインを合わせて楽しみたいとも思うタイプ(例えば瓶内二次発酵スパークリングは、アミノ酸が豊富なので、ケンタッキーに合うと個人的に思う)なので、ワインの特徴から合う料理を導きだせるようになりたいと感じていた。
そうした中、WSETは、ワインの応用力や思考力(5W1HのWhy?How?の部分)を重視していると聞いて、試しにLevel2のテキストを取り寄せて読んでみたら、「うまみや酸味がこうだから、ワインと料理のペアリングはこう」みたいな理論的な考え方が書いてあって、これは面白いと感じた。
以上がWSETにチャレンジしようと思った理由。CAPLANの説明会に来ていた多くも、JSA呼称有資格者だったので、ちょうど次のステップとして丁度良いように思った。